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CORVETTE C1 1953  White Auto Art    

C1 FIRST CORVETTE 1953-1962

1953年1月にコルベットのプロトタイプは登場した。
舞台はニューヨークの名門ホテル、ウォルドルフ・アストリア
GMが1949年から開催していたモーターショー、「モトラマ」にて華々しいデビューを飾ったのだ。
当時アメリカにおけるスポーツカーの多くがヨーロッパ製だったことから、GMは純アメリカン・メイド、しかも量産可能なスポーツカーの開発を狙った。
目標は所有することに喜びを感じることができる2シーターのスタイリッシュなスポーツカー。
ちなみに「コルベット」というネーミングは、第二次世界大戦に活躍した戦闘艦艇にちなんでいる。
そして予想を凌ぐ大反響を受け、すぐさま量産が開始された。
とは言え、GMにとって、オープン2シーターというスタイルをもつスポーツカーの量産は初の試み。
既存の量産車に使われていたパーツを多く流用し、万が一販売が不振でも“痛手”を最小限に抑えられるようしていた。
ボディには量産車としては世界で初めてFRP(強化プラスチック)を採用。
パワーユニットはシボレー・セダンの3859cc直6OHCエンジン(最高出力150ps/4200rpm、最大トルク25.0kg-m/2400rpm)をチューンナップしたものを搭載した。
“演出”でエンジン全体をブルーに塗り、ヘッドカバーには「ブルーフレーム:青い炎」とロゴも入れられていた。
トランスミッションは2速ATのみ。裏を返せば、斬新なスタイルとは裏腹な内容だったとさえ言える。

本格スポーツカーとしての地位は、V8モデルから築きあげられた。 
シリーズ1は最終タイプでは排気量は5369ccまで拡大、最高出力も360psにまで到達した。

General Motors Asia Paciffic Japan HP より拝借>

1953年と言えばアメリカ国内では多分に英国車の影響もあり本格的なスポーツカーへの需要が高まっていた時代と言える。
MG、トライアンフ、サンビームと言った英国車に飽き足らないユーザーの要求は例えばポルシェに向かう事になる。
356ベースの簡素化されたコンバーチブル「スピードスター」や110馬力のパワーでで550kgの車体を220キロオーバーまで引っ張る「550Aスパイダー」等の2シーター、オープントップモデルがそれだ。
当然のことながらアメリカ国内メーカーも早急な対応を迫られる事と相成ったのだが、そう簡単に本格的なスポーツカーが作れる訳は無い


 
オープントップモデルは当然それまでにも存在していたのだが、その乗られ方と言えばスポーツ走行とは程遠いと言わざるを得ない。
この責は単にメーカーだけが問われるわけにはいかないだろう。むしろ気まぐれなユーザーに大きな問題があったと言えるだろう。
移動手段と言う当初の目的から豪華さや安楽さを車に求めたのは紛れも無く彼らだったのだから・・・・








しかしアメリカ企業の底力は大したもので対応は早かった。
フォードは1954年、デトロイト自動車ショーでサンダーバードを発表

GMも1951年から開発を進めていたコルベットを1953年に発売、オープン・トップモデルでしかも2シーター!
流れる様な曲線を組み合わせた美しく力強いデザインそしてブルーフレームといかにも曰くありげなネーミングの心臓部を持った新型車に多くの期待が寄せられた。
しかし実際のところ直列6気筒OHCの基本設計は1920年代の代物で接続されるミッションにいたっては通常型セダンと変わらぬ2速ATと言ったていたらくであった。
また美しいデザインを形作っているFRPボディパネルについても素材に対する経験不足の為、温度差による歪みが発生しクレームが殺到したと言われている。

それにひきかえサンダーバードは発売当初は16000台を上回る販売台数となり出だしは快調だった。
理由としてあげられるのは心臓部に当初からV8を設定しコルベットに比べて装備が充実していた事があげられる。
しかし1958年にフォードは市場動向上の判断から早々に2シーターに見切りを付ける事になる。フォードのこの割り切り方は、ある意味見事である。
1966年及び1967年、ルマンでフォード勢が優勝した事でマーケッティング的に成功したと判断し完全撤退したと言うのも同様だ。
何れにしろサンダーバードは単なる豪華な4シーターのオープン・カーになってしまった。



対するコルベットは1957年に直6、3.9リッターだったエンジンをV8、4.6リッターとし出力も初期の150Hpから220Hpとした。
デザイン的な好みは別として1956年のパワー・ユニットの直6からV8への変更はCorvetteの将来を決定付ける事となった。
それは、それまでの見かけだけのスポーツカーから変身したC1をサーキットへ持ち込む人達が現れたと言う事だ。








そして1956年型からデザインにも大きな変更が加えられた。
フロント・ホイールアーチからドア後端近くまでボディサイドラインとは逆のカーブの大きなくぼみが付けられた。
またヘッドライトは、それまでボディラインに沿って綺麗に形成され流れる様なデザインになっていたフレームが、どこにでもありそうな丸型ライトを、ぶっきらぼうにくっ付けただけの物になってしまった。
テールエンドについても綺麗に絞られたラインの後端にランプを取り付けていたのだが、この年から最後の尖った部分を無くしてライトパーツでカバーした形になっている。
複雑なラインを省略してコストダウンを図ったのだろう。

C1の最終型である1962年には5.4リッターまで排気量が拡大され360Hpを誇るモンスターマシンに成長する。

モデルについて
実車の生い立ちの経緯は置いておいてモデルに目を移すと、素晴らしい出来栄えだ。
全体のラインの美しさ各パーツの精度の高さは勿論のこと可動部のスムーズさ、そして丁寧な塗装の状態等オモチャではあるが芸術品に通じる高貴さが漂う様だ。



 
繰り返すが作りの丁寧さには目をみはるばかりである。
因みに、このモデルはオークションではなく実店舗で手袋を拝借してじっくりと検分ののち「定価」にて購入したものだ。









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